回路
観葉植物販売の会社に勤務するミチの周りで、奇妙な出来事が続発した。同僚・田口の自殺を皮切りに、同じく同僚の矢部が、社長が、順子が、両親が、次々と黒い影を残し姿を消していったのだ。同じ頃、大学生の亮介の身辺にもおかしなことが起こっていた...(goo 映画)とりあえず、すごく恐い。気が付いたら、恐がっている自分がいた。そんな感じだ。
人間は、自分が理解できないものに対する恐怖が一番大きいのではないだろうか。それが何なのか、自分がどうなってしまうのか。思考が定まらず、落ち着かない感じ。これは人間が持っている、動物的、根源的な、体に染み付いた恐怖だと思う。
この映画は、こうした理解できないものへの恐怖を表現しながら、いわゆる「訳わからない映画」にならない絶妙なラインを保っているように思う。
細かい説明はされない。恐ろしいことがじわりと「普段の生活」に侵食してくる。ふと気づくとそこに恐怖が溜まっている。
二人の主人公のストーリーは交錯せず、それでいて「何か」に侵されていく様が、局所的ではなくある事態が観客も含めた「我々」の近くに起こっているかのように感じさせる。
映像的にも女性の投身自殺のシーンなどは震え上がった。映画を見た当時はこういう自然な形のCG(だよね?)の使い方はまだ少なかったように記憶している。ショックが大きく、鑑賞後、結構長い間引きずってしまったほど。今見てみても、最近の作品のように、なんとなく「来るぞ」と思わせる感じが無く、話の筋の横で唐突に「落ちる」といった感じで秀逸だとおもう。回路の接続口であるところの赤いテープの扉
も、なんとも印象的で、日常生活で出くわさないことを祈るばかりだ・・・
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