百器徒然袋 風

百器徒然袋―雨に続き、薔薇十字探偵榎木津礼二郎が再び登場。全てを粉砕して突き進む『探偵』の後には、事件の解決と疲れ果てた下僕たち・・・

 前作に続き榎木津の活躍に爆笑させられる。相変わらず下僕たちは振り回される。しかし、最後に・・・。もともと榎木津好きなのだが、本書を読んでますます好きになった。登場人物たちも彼のこういった部分を肌で感じて周りにいるのだろう、と思う次第。もっとも京極堂はすべてお見通しなのだろうが。

 周囲の目ばかり気にしてしまう小心者の筆者にはまぶしすぎる榎木津の活躍に、一時浮世を忘れて大いに楽しむことができた。

 最近『姑獲鳥の夏』が映画化されたけれど、実はこのシリーズのほうが一般には受け入れやすいんじゃぁ無いだろうか。

                        1. +

百器徒然袋 風
著者: 京極夏彦
評価: ★★★★