0:34 レイジ 34 フン

ロンドンの地下鉄チャリング・クロス駅で、途方にくれるケイト(フランカ・ポテンテ)。0:34の最終電車に乗り遅れてしまったのだ。ところがそこに無人の電車が到着する。ケイトはその電車に乗り込んでしまうが……。 (Yahoo!ムービー)

時間的にこの作品しか見られるものがなかったから、という後ろ向きな理由で鑑賞。

 『ラン・ローラ・ラン』のフランカ・ポテンテの変わり果てた姿が最も怖かった。もっと可憐な少女だったのに・・・オバチャンの風格がすでに漂っている。とてもセレブには見えない。

 物語はこのセレブ気取りの勘違い女がひょんなことから恐ろしい一夜の体験をするというもの。とりあえずフランカ・ポテンテはこの嫌な女を上手く演じている。常に「上から目線」で男を見下し、自分の下僕のように扱っており、男性の筆者としては「さっさと、やられちまえ」であった。とりあえず金で解決しようとする態度。初対面の男に「お前が何とかしろ」と平然と言いはなつ(水牢見たいな場面ね。)。グロ場面やストーリーのグダグダ感よりこっちのほうが不快度が高かった。

 ストーリーのほうも、プログラムを読まなければまったくわからないシーンがチョコチョコ挿入されており、何のこっちゃという感じだが、「犯人」の発する奇声は、幼い子供が意味無く叫んでいる奇声と同種のもののようだ。彼にしてみれば殺人もひとつの遊びであって、相手にじゃれ付いているのに近い感覚なのだろうと思った。恨みや怒りといった理由のない殺意って描き方によっては相当怖いものが作れると思うのだが、半端に「背景」の描写をしたために散漫になってしまったように思う。
 ラストで高慢な主人公がされる行為は、筆者的には多少痛快ではあったが、映画としてはいささか拍子抜けの感がある。 

 その日の3回目(15時半くらい)のチケットを買って、前回の終了の5分前くらいにいくと、すでに扉が開いている・・・。つまり前回は客が一人もいなかったということ。こちらのほうがコワイ?

                        1. +

0:34 レイジ 34 フン
監督: クリストファー・スミス
出演: フランカ・ポテンテ 、ショーン・ハリス 、ヴァス・ブラックウッド 、ジェレミー・シェフィールド 、ポール・ラットレイ
評価: ★