宇宙戦争

アメリカのある町である日のこと、突然、稲光が何度も地上にまで達するという異変が起きていた。レイ(トム・クルーズ)は、黙って外出した息子のロビー(ジャスティン・チャットウィン)を探しにいくため、娘のレイチェル(ダコタ・ファニング)に留守番をするよういいつける……。 (Yahoo!ムービー

 H・G・ウェルズの小説をスピルバーグ監督が映画化した。主人公にトム・クルーズ、子供役にダコタ・ファニング。Yahoo!の解説には「オリジナルとは一味違うラストも必見。」なんて書いてあるけど、そうかぁ?

 前半の、雷の発生から突然の襲撃に人々が戸惑い、逃げ惑う状況、パニックの描写は迫力満点で本当に恐い。THEリングよりよほど恐い。とにかく不安になる、わけがわからないということがどれだけ恐いか、良くわかる。

 ストーリーは、前半の、人間たちの期待通りのやられっぷりに対しクライマックスに向かってトムがやり返したり、まだ機能している軍隊がやっつけたり、とちょっと興ざめの感がある。やはり、今のアメリカは殴られっぱなしは我慢できないのだろう。この原作の面白いところは、人間と宇宙人の間に圧倒的な差があり全く歯が立たないのだが、たまたま助かるという筋書きなのだと思うのだが。このやられっぷりの足りなさが原作を知らずに見た人々の「オチがちょっと・・・」という感想につながっているのではないだろうか。(「宇宙戦争」なのに宇宙に行かないジャン、という感想も見かけてちょっと苦笑。宇宙に出る暇もなく本土に侵攻されたってことだよね)
 50年前に映画化されたときはいわゆる戦後であり、現代も特にアメリカではテロの脅威というものにさらされている状況。そんな時期だからこその映画化なのだと思うが、人々の物の見方、心のありようはやはり違っているようだ。50年前に映画化されたときはいわゆる戦後であり、現代も特にアメリカではテロの脅威というものにさらされている状況。そんな時期だからこその映画化なのだと思うが、人々の物の見方、心のありようはやはり違っているようだ。

 意外に印象に残ったのが、フェリーで逃げるシーンで息子が船の縁につかまった人々を助け上げるシーン。トムお父さんにしてみれば不良息子の意外な姿にちょっと誇らしかったことだろう。

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宇宙戦争
監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: トム・クルーズダコタ・ファニングティム・ロビンス 、ジャスティン・チャットウィン 、ミランダ・オットー
評価: ★★★