クローサー

ダン(ジュード・ロウ)は街で偶然出会ったアリス(ナタリー・ポートマン)と恋に落ち、同棲(どうせい)を始めるが、フォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)に一目惚れしてしまう。(Yahoo!ムービー)
もともと舞台作品だった本作は、その原作を元に新たに書かれた脚本だそうだ。

 公開最終日のレイトショーで見たので1300円で入れた。観客は半分程度か。賛否両論の本作、ナタリーファンの筆者としては見ておかねばなるまい。

 映画はほぼ主要の4人しか登場しない。この4人が入れ替わり立ち代りくっついたり離れたり、ということになるわけだが、作中の時間の経過が極端で、その時間の経過を理解するすべが4人の会話からしかない。字幕のせいなのか、これが「なんとなく」といった程度にしか頭に入ってこないので、理性を働かせなくてはならず、ちょっと現実に引き戻される。

 基本的に台詞に品がなく、リアルといえばリアルなのかもしれないが、心身ともに健全なときに見ないと気分が悪くなるかもしれない。そして4人とも実に不誠実である。「嘘をつかない」という名目で内に秘めるのが苦しいことは相手に吐き出して重荷を相手に渡す。相手の不誠実は少しの許容もなく全否定して責めたてる。やることは所謂「大人の恋愛」、それに対する反応は子供のそれだ。浮気も起こりうるし、恋愛すれば当然セックスもあるだろうが、この4人は基本的に自分のことにしか目線が行っていないような気がする。相手を思いやらないのが恋愛といえるのか?
4人は何度も愛しているというが、彼等が本当に愛しているのは自分だけだ。

 4人の演技は良かったと思う。ナタリーがあそこまでやるとは、意外。だが見終わったあとに虚しさが残ってしまう、悲しい映画だったように思う。

 だいぶ遅れて鑑賞したので、いろんな方のブログでレビューを見ることができた。ブログをやるぐらいの方は高評価が多いようだ。反対に一言レビューを残すヤフーなどの人の中には否定的な意見も。
どうも英語の台詞回しがしゃれているらしいので、英語の堪能な人に是非解説してもらいたい。

                        1. +

クローサー
監督: マイク・ニコルズ
出演: ジュリア・ロバーツジュード・ロウナタリー・ポートマンクライヴ・オーウェン 、コリン・スティントン
評価: ★★

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