インストール

解説:蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢りさのデビュー作の同名小説を映画化。主演に『あずみ』の上戸彩が風俗チャットにハマっていく高校生を熱演。共演に中村七之助、菊川怜、小島聖田中好子ら個性派が脇を固める。監督は「慎吾ママドラマスペシャル」など大ヒットTVドラマを作り続けている片岡K。小学生のかずよしを演じる神木隆之介の演技も秀逸。

ストーリー: 高校生の朝子(上戸彩)は、毎日学校へ行くふりをしては、母親が出勤すると家に戻る毎日を送っていた。そんなある日、自分が捨てたパソコンを拾った小学生のかずよし(神木隆之介)に風俗系のチャットをするバイトを紹介され……。 (Yahoo!ムービー)

上戸彩の人気と神木隆之介の演技力でできた作品。

 タレント人気だけの邦画の例に漏れず、興行的には余り成功したとはいえないようだ。

 主人公の悩みは、誰もが通ってくる類のもので、観客に共感されるか「そんなこと」と思われるかは脚本や演出の力量による部分がかなりあると思うのだが、「インストール」は残念ながら後者に属するように思う。
「新しい感じ」を追い求めて力の入る監督が空回りしているように感じた。映像や音楽の使い方など、驚かされるというよりは、満腹なのに料理をぐいぐいと口に押し込められているような、「もう良いよ,判ったから」といいたくなるような感触を受けてしまった。

 人気の上戸彩に過激な台詞を言わせる、という部分がクローズアップされ(個人的にはこれしか残らなかったわけだが)、ストーリーのほうに目が行かなくなりそうだが、実際上戸&神木でなかったら、ある意味結構グロい話かもしれない。小学生があんなにディープな風俗の知識を有していたりするのは気持ち悪いよ。

 話自体は外部の世界の突然の介入により、畳み込むようにエンディングを迎えるのだが、落ち着くところは予定通り、というか映画の中にでてくるような体験をしなくても普通に皆がたどり着くところに落ち悔いて終了。

上戸彩は、まだまだ女優ではなくアイドルなのだなぁ、と思わせられた。

                        1. +

インストール
監督: 片岡K
出演: 上戸彩神木隆之介中村七之助 、菊川怜 、小島聖
評価: ★★