ソウ3

殺人現場に呼び出された女刑事ケリー(ディナ・メイヤー)は、鎖に繋がれ、爆弾で飛び散った死体を目撃する。死体が行方不明の同僚ではなかったことに彼女は胸をなでおろすが、ジグソウはもう動けないはずだったことから、誰の仕業なのか疑問を抱く。その夜、ケリーは何者かに拉致され、気がつくと地下室に監禁されていた。(Yahoo!映画

 「やられた!」と驚かされた1作目から魅力を失うことなく2作目を送り出してきたシリーズ3作目。凄惨な殺人にも注目が集まる本シリーズだが、実はあからさまな描写は少なく、寸前でカットが切り替わっているということに気づかない人は多いらしい。つまり観客の頭の中で描かれた「恐ろしい光景」が印象に残っているのである。これが本シリーズ製作陣の上手いところのひとつ。

 魅力のもうひとつはその巧みなストーリーテリングであるということに反論する人はいないのではないか。いずれも作品の核を成すキーポイントは作中で明確にあらわされているにもかかわらず、我々は翻弄され、結末に驚きと納得との綯交ぜになった余韻を残されるのである。

 作中、これまでの謎が明らかになり、我々がなるほどと頭を整理している間にも彼らは新しい仕掛けを我々の頭の中に仕掛けている。本シリーズのこれからがいったいどうなるのか大いに気になるところだ。

 次作を待つ間、本シリーズの本当の軸が何であるのかもう一度考えておきたい。実のところ、ジグソウがゲームの参加者、我々観客に向けて投げかけているメッセージは「生を大切に全うしろ」ということではないだろうか。彼の仕掛けるゲームには、必ず参加者が生き残る道がある。(そんなことはない!と思うあなたは、本作を見ることで納得が行くことだろう)そして今回のゲームの全容が誰に向けられた、どのようなものであるのかを観るとき、これがラブストーリーであったのだということが判明する。

 本当にどのように落とし前をつけるのか楽しみだ。

                        1. +

ソウ3
監督: ダーレン・リン・バウズマン
出演: トビン・ベル 、ショウニー・スミス 、アンガス・マクファーデン 、バハー・スーメクディナ・メイヤー 、J・ラローズ 、デブラ・リン・マッケイブ 、バリー・フラットマン 、エムポー・クワホー 、キム・ロバーツ 、コスタス・マンディロア 、ベッツィ・ラッセル 、アラン・ヴァン・スプラング 、ドニー・ウォールバーグ
評価: ★★★