ナイト・ウォッチ

特殊な超能力を持つ“異種”に生まれついた人間は、能力に目覚めた時に、光につくか闇につくかを自分で選ぶ。そして光の戦士は“ナイト・ウォッチ”として闇の異種の行動を監視し、闇の戦士は“デイ・ウォッチ”として光の異種を監視するのだ。予知能力を持つアントンは、光の戦士として危険な任務を行っていた。そんなある日、伝説の「災いを招く乙女」と思われる女性を発見する。魔女のオリガを相棒にしたアントンは、彼女の身辺を探るのだが・・・。

 この物語の登場人物たちは、光と闇という2派に分かれていると同時に、異種であるという仲間意識も持っており、個人ベースでは交流がある。こうした描かれ方は新鮮で、我々の生活の中にも同じような現象は見受けられる。国家として関係が良好とは言えず○○人は好きではなくても、個人的に△△さんとは仲良し、といったような。また、物語的にも、キーパーソンがどちらの派につくか、といったところがポイントである。
 このような曖昧な立ち位置に置かれた登場人物の心象を描くという点で、日本とロシアはある種似た性質を持っているのかもしれない。

 とまあ、面白い題材なのだが、料理を間違った、といった印象。
映像の作り方がどうも半端で、挿入されるゲーム画面などは、その際たるもの。完全に失敗しているというか予算の都合上、と受け取られても仕方ない。

 明確に続編のある作り方になっているのでストーリー的にも宙ぶらりんになっており、消化不良のまま。ちゃんと続編が見られるのか心配だ。

                        1. +

ナイト・ウォッチ
監督: ティムール・ベクマンベトフ
出演: コンスタンチン・ハベンスキー 、ウラジーミル・メニショフ 、マリア・ポロシナ
評価: ★★