天使
恋に悩むコンビニ店員カトウ（内田朝陽）、恋人と子育ての両立に悩むシングルファーザー吉川（永瀬正敏）らが暮らすとある街。ある日、自由気ままな天使（深田恭子）が舞い降り、それぞれに悩みを抱えた人々を見守りながら、彼らの心を温めていく。（Yahoo!ムービー）
いくつかの物語が並行して進んでいくが、それぞれが深く絡み合うようなことがあるわけではなく、猫のように気まぐれな天使が、目の前の自分を必要としている人のまわりをふわふわとそこにいる。天使の姿はその人にしか見えず、何かをしてくれるわけではないが天使がそばにいることで気がつかないうちに彼らの心の中は温かいもので満たされていく。あふれた温かさは彼らの周りにいる人たちにも伝わっていき、その人たちも温かいもので包んでくれるのだ。
結局自分の問題は自分自身で解決していく、自分で決断するのだということと、他者がただそばにいてくれる、自分を見ていてくれるということがどれだけ勇気を与えられるものかと言うことが感じられる。そして当の本人（？）はただいたいからそこにいる、といった風情で、ジンライムが好きで。生まれついての天使であるという「存在」の意味が発揮されている。
押し付けがましくない温かさが心地のよい良作であったと思う。鑑賞当日は雪が降っており、映画のラストにオーバーラップしてなんともよい気分であった。
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