ローレライ

解説: 福井晴敏の「終戦のローレライ」を『踊る大捜査線』シリーズなどのヒットメーカー・亀山千広が映画化したエンターテイメント超大作。ローレライ艦長に役所広司、物語の鍵を握る少女に新進女優の香椎由宇、彼女と運命をともにする折笠に妻夫木聡。主役級の俳優が勢ぞろいしたアンサンブル演技は必見。

ストーリー: 1945年8月、広島へ原爆が投下された直後の日本。“鋼鉄の魔女”と呼ばれた潜水艦が、最終兵器“ローレライ”を搭載して、ある任務のために港を出発した……。(Yahoo!ムービー


 ヤフームービーの解説には「終戦のローレライ」を映画化、と書いてあるが、実際は同時並行で制作が進んだコラボレーション作品。第二次大戦末期を描いた潜水艦物で、昔ながらの戦争モノを想像するが、ファンタジー的な要素も多く含んだ作品である。
 原作の福井晴敏氏が「ローレライ」のパンフの中で受けているインタビューでは、「ローレライ」は「大人のガンダム」であるというようなやり取りが出てくる。ガンダムはそれまでのロボットヒーローアニメとは一線を画した「戦争モノ」であり、あちらがアニメ側から一歩近づいたものなら、「ローレライ」は戦争モノから一歩近づいた形か。

 物語は東京への原爆投下を阻止するために奮闘する男たちの物語がメインである。この潜水艦にただ一人少女が乗り組んでおり、彼女が潜水艦に搭載された「ローレライシステム」(英語じゃん)の核となるのである。この少女の生い立ちなどは一連のガンダムシリーズに出てくる「強化人間」と相通ずるものがあり、悲しい存在として戦争のむなしさを強調する要素となっている。

 ストーリー自体は割とさくさく進んで、飽きずに一気に見られた。残念なのは少女と潜水艦の乗組員が打ち解けていく様子があまり描かれず、印象としていきなり仲良くなっているということ。あまりじっくり書いても間延びした感じになってしまうのかもしれないが、ちょっと違和感を感じた。

 井筒監督は「役所広司丸刈りにしろ!」なんて難癖つけていたが、いい演技をしていたと思う。
佐藤隆太が良くわからない存在。最期がなんとも・・・ 鶴見辰吾のみ大映ドラマ風のわざとらしい演技で浮きまくっていた・・・

                        1. +

ローレライ
監督: 樋口真嗣
出演: 役所広司妻夫木聡 、柳葉敏郎 、香椎由宇石黒賢
評価: ★★★


ラストシーン近くにiPODが登場。Appleのサイトにもページがある。