夏への扉


 SF文学の歴史に燦然と輝く名著。著者は『宇宙の戦士』などでも超有名なロバート・A・ハインライン。猫好きからも無類の好評価(笑

恋人に裏切られ、友に背かれ、発明の特許を欺しとられ、何もかも失ったあげく冷凍睡眠で21世紀の未来に送り込まれた発明家ダニイは、真相をつきとめるためタイムマシンで再び過去にもどったが……。(bk1

 本作が発表されたのは1957年。実に50年前(!)だが、今読んでも十分に楽しめる作品だ。

 もちろん細かい描写のそこかしこに時代を感じさせるのだが、それをおいても楽しめるストーリーテリングがいい。主人公が生きる時代は1970年。事情があって冷凍催眠で30年後の未来へ行くわけだが、そこは2000年である。まだ20世紀だ。

 さて肝心のストーリー。裏切りにあって何もかもを失ってしまう主人公であるが、冷凍催眠と、未来で開発された1/2の確率で過去か未来へ飛ぶタイムマシンを使って奮闘する。

 なんだかんだといいながらも前向きな主人公と、あくまで自分の気持ちの赴くままの猫が魅力的。

                        1. +

夏への扉
著者: ロバート・A・ハインライン
評価: ★★★★