ナチョ・リブレ 覆面の神様

生まれてすぐに両親を亡くしたナチョ(ジャック・ブラック)は、戒律の厳しい修道院で孤児として育ち、修道院の料理番をしていた。ある日、町に食材を買いに行き、謎のやせた男(ヘクター・ヒメネス)に襲われたナチョは、ルチャ・リブレ(メキシコのプロレス)のアマチュア大会に出れば賞金を稼げることを知る。(Yahoo!映画

 タイガーマスクの原案にもなったといわれている実話が基になっており、その話というのはメキシコのルチャ・ドール「フライ・トルメンタ(暴風神父)」のこと。

 宣伝や解説では、修道院で働くさえない男が覆面レスラーになり、修道院の孤児たちにおいしいものを食べさせようと奮闘する・・・と言われているが、映画を鑑賞しての印象はちょっと違う。幼い頃からの憧れであるルチャドールになりたい、男としての名誉欲、ついでに大好きな子供たちにいいもの食わせてやろうか・・・というふうに、自分の気持ちが最優先である。
 随所に「はい、ここが笑いどころ!」といったシーンが出てくるので、思わず笑ってしまうというよりはADに指示されながらバラエティ番組を観覧しているかのような「笑いのキュー」が感じられる。

 ナチョの一番の味方で貧しい修道院の子供がでっぷりと太っていたり、ルチャ嫌いの美しい修道女がクライマックスでいきなりナチョを応援するのも唐突な感じが強く、徹底したご都合主義が残念。もう少し丁寧に描きこんでほしいところだ。

 それでもレスリングシーンはそれなりに楽しめる出来で、同じ本職が出ていても『兜王ビートル』などとは比べ物にならない。比較する対象が間違ってるか・・・

                        1. +

ナチョ・リブレ 覆面の神様
監督: ジャレッド・ヘス
出演: ジャック・ブラック 、エクトル・ヒメネス 、アナ・デ・ラ・レゲラ 、リチャード・モントーヤ 、ピーター・ストーメア 、セサール・ゴンサレス 、ダリウス・ロセ 、モイセス・アリアス
評価: ★★