容疑者Xの献身
数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか(amazon)
少し前に読んだのだけれど、先日直木賞を受賞したということでレビュー。
筆者は、東野圭吾作品は結構好きで、「白夜行」などは特にはまったクチ。 面白いトリックと切ないストーリーを上手く絡ませたりして、読み応えのある作品を数多く著している著者の才能には本当に楽しませてもらっている。
さて、本作だが、犯人の心情があまり筆者の胸の中に入ってこなかったというのが率直な感想。東野作品では、ラストで主人公が慟哭して終わるパターンが何作かあるが、本作でのそれには多少の違和感があった。表面的に冷静でも、内面に情熱的な愛情を抱えているという犯人の人間性がそれほど描かれておらず、このあたりを読者がどれだけ補完できるかが鍵かもしれない。
ミステリの部分はとても面白かったので、評価が難しいのだけれど、3つで。
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