ベロニカは死ぬことにした

平凡で退屈な毎日に嫌気がさしたトワ(真木よう子)は、ある日薬を大量に飲んで自殺を図るが失敗する。目が覚めるとそこは、社会から完全に隔離された奇妙な病院だった……。(Yahoo!ムービー

 パウロ・コエーリョの小説を、日本を舞台にして映画化。最近筆者の中で注目の真木よう子主演で、期待して観にいった。期待以上であった。

 鑑賞した人の中には、ちょっと表現に違和感を持ったり抵抗を感じる人もいるかも、っと思わせる場面があるが、作品全体に流れる意図はよく伝わってきたし、前向きな気持ちにさせてくれる作品である。

 トワの苦悩は現代に生きる我々が多かれ少なかれ内に抱えるもので、共感ができる。厭世的であった主人公が徐々に変化していく様をよく表現していたと思う。主人公にかけられるある「仕掛け」は特に奇をてらったものではなく、予想がつく範囲だが、それを踏まえたうえでトワを見守っていこうと観客に思わせる雰囲気が出ていた。

 主人公以外も芸達者を配置して作品世界をがっちり作っていて、彼らの今後にも思いをはせられるような丁寧な作りに好感がもてる。

 真木よう子は『サマータイムマシン・ブルース』のときに舞台挨拶で実物を見た事があるが、非常に美しかった。本作でも彼女の美しさが輝いているが、物語のはじめと終わりではまったく表情が違っており、役者としての可能性を大いに感じられた。(←贔屓目過ぎか。 いま一押しなのでいいか(笑 )

                        1. +

ベロニカは死ぬことにした
監督: 堀江慶
出演: 真木よう子 、イ・ワン 、風吹ジュン中嶋朋子 、荻野目慶子
評価: ★★★★