痴漢男

 映画化に続いてドラマ化もされるなど大きな話題を集めた『電車男』に続く“2ちゃんねる”発のラブ・ストーリーをまとめた同名原作を映画化。ひょんなかことから痴漢に間違えられたオタク大学生が、相手の女性に恋をしてしまい、2ちゃんねるの住人たちのアドバイスを頼りに自らの想いを成就させるべく奮闘するさまを描く。(Yahoo!ムービー)

電車男のヒットに便乗して作ってみたという感じの映画だが、意外と楽しく見られた。

 全体的にかもし出す雰囲気は深夜のドラマという感じで、映画冒頭のテロップも一般に売っているビデオについている機能で入れたみたいなクオリティだ。
 出演者は基本的に4人(柳浩太郎長澤奈央長谷部優磯山さやか)で話が進んでいくのだが、長澤(←ハリケンジャー)だけが普通に役柄になっている感じで後の3人はもう少し経験が必要か。
 ただ、柳は交通事故のため右半身に麻痺が残ったまま演技していたそうで、役柄(おたく)の助けもあっただろうが、そういったことを感じなかった。全体的な演技力はともかく、こうした努力を見せる(正確には観客に気づかせない)という点に賛辞を送りたい。

 ストーリーは電車男よりリアルな感じで2ちゃんねるの中での会話なども本物のそれに近い雰囲気が出ていた。ただし、アスキーアートを多用した演出はちょっとスクリーンで見るにはキツイものがあったのは事実。(これは多分に予算の関係だろう)リアルといってもオンナノコ3人が全員可愛くてオタク青年に好感を持つというところは、ありえないだろというのはある・・・。目をつぶろう。実際この映画上では、オタクとはいえ女の子と普通に話せるしタメ口で言い返したりするし、男前だしでオタク要素はあまり関係ない感じ。
 物語の展開やラストは予想の付く範囲だが、笑えるところもチョコチョコあって飽きずに見られた。新宿で2チャンネルの住人たちが主人公たちを探す件などは結構面白かった。

 映画館で1800円払ってみるには高かったが、ちょっと楽しく過ごそうかというときに見ても損はない。

                        1. +

痴漢男
監督: 寺内幸太郎
出演: 柳浩太郎長澤奈央長谷部優磯山さやか 、上村梨恵子
評価: ★★★


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