機動戦士Zガンダム II -恋人たち-
宇宙全体を巻き込んでの戦闘が日に日に激しさを増す中、反地球連邦組織の一員であるカミーユは神秘的な少女フォウと出会う。(Yahoo!ムービー)
3部作である映画版『機動戦士Zガンダム』の第2部。2005年5月に公開された第1部『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-』に続く物語で、戦争はさらに激化、その中で出会う恋人たちに焦点を当てた物語。
筆者の本シリーズに対するスタンスは前作のレビューを見ていただくこととして、今回もタイトルに付された-恋人たち-というキーワードから書いてみたい。
壮大な話であるZガンダムを2時間程度の映画3本にまとめるという行為の中で、どこに焦点を絞るか。
富野由悠季氏もいろいろなところで語っているとおり、本作では恋人たちの群像劇という形になっている。そのため戦闘シーンがあっさりしていたりする。これはこれでアリだろう。皆思い入れの強い作品だけに、自分の強い思いのあるシーンが無かったりすれば、「なんだこれは」となるのも致し方ないが、実際あのシリーズをまとめるとしたら何か切らなくてはならない。
ただ、その一方、全体のストーリー上も、本作の主旨としても重要であろうフォウに関わるシーンが、もっとやってしまっても良かったのでは?という感想も持った。これはストーリー上云々というよりは、台詞の端々にきめ細かい配慮がされ、出会いから恋愛感情の芽生えや思いを託す部分など良かったと思い、こうした一連の描写をさらに見たいという、筆者としての思い入れの強さ ということなのだろう。
逆にサラに関わるシーンの多さについても気になった。これはZガンダムだからこそのこのバランスなのだともいえるのだが。
TVシリーズを見ていた人はわかるだろうが、Zガンダムは現在の昼ドラも真っ青などろどろ愛憎劇である。本作でサラがとっていた行為(自身の欲望のために自分への好意を利用する。裏切るなど)のオンパレードだ。そうした人間の暗黒面の中にあってこそ、カミーユとフォウの恋が印象的なのだろう。
さて、次回作がいよいよ新訳の完結となる。どのようなラストになるのか今から楽しみだ。
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機動戦士Zガンダム II -恋人たち-
監督: 富野由悠季
出演(声): 飛田展男 、池田秀一 、古谷徹 、鈴置洋孝 、ゆかな
評価: ★★★