プライマー

 アメリカのとある郊外の街。自宅のガレージでオフタイムを利用して研究開発に励むエンジニアのアーロンとその友人エイブ。ある時エイブが超伝導を利用した画期的なアイデアを思いつき、その装置の開発に乗り出した2人は、思いがけず小さな箱の中に時空の歪みを生じるワームホールを作りだしてしまう。そこで、箱を人が入れるほどの大きさにしてタイムトラベルをすることにした2人。そして過去に戻って株で大もうけするのだが、タイムトラベルのタブーである分身との遭遇が、2人の運命を大きく変えてゆく…。(Yahoo!ムービー

 難解この上ない作品。アインシュタイン相対性理論を 発表した1905年からちょうど100年。(本作はアメリカでは2004年公開の作品。)タイムマシンものがここにも1本。やっていることはこちらも小さいのだが、以前レビューを書いた『サマータイムマシン・ブルース』とは正反対といってもいいほど雰囲気も登場人物の性格も難解度も違う。

 どちらも「辻褄あわせ」をひとつの軸に展開するのだが、『プライマー』のほうはとにかく判りにくい。ここまでされるとかなり見る人を選ぶことになってしまうだろう。監督はもともと理系の人だそうで、登場人物の台詞も理系の人間じゃないと判らないだろうという言葉がガンガン出てくる。(筆者もついていくのがギリギリだった)

 主に二人だけの世界で物語が展開し、「固い友情と信頼の確認」といった要素が盛り込まれているのは『NOTHING ナッシング』にも通じるがそういった基本要素が見せる展開はまったく違った様相を呈する。こうして見比べると「バカ」なほうが幸せだといった感想になる。

 映画館で見るには筆者の理解力を超えていた。DVDで何度も繰り返して見て楽しむべき作品かもしれない。

                        1. +

プライマー
監督: シェーン・カルース
出演: シェーン・カルース 、デヴィッド・サリヴァン 、ケイシー・グッデン 、キャリー・クロフォード 、アナンダ・アダヤヤ
評価: ★★