NOTHING ナッシング

嫌われ者のデイブ(デビッド・ヒューレット)と対人恐怖症のアンドリュー(アンドリュー・ミラー)は、10年来のルームメイト。ある日デイブが家を出て行くと言い出して……。(Yahoo!ムービー

CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。主演に『CUBE』のデビッド・ヒューレットとアンドリュー・ミラーということでさらに期待を増して劇場に足を運んだ。

 『CUBE』とはかなり趣の異なる作品であった。善良であると思われた人が垣間見せる残虐性や、気が付くとそこは別世界で・・・といった状況とそれに対する説明を潔く放棄したつくりなど良いなと思わせる部分もちょくちょく盛り込まれているが、基本的にはバカ二人のバカっぷりを描いた話であり、都合の悪いものから目をそらすという現代日本の若者に多く見られるようなある意味「引きこもり」の精神世界の投影とも取れる話である。

 映画ばかり観ている筆者もたいがい「引きこもり」の要素ばっちりだと思うが、どうもこの二人のバカには共感しにくいし、『サマータイムマシン・ブルース』のバカたちのように愛すべき要素が見つけにくいなあと思いながら見た。

 ラストで二人の絆を再確認したりしていい話っぽく終わるのだが、良かったねぇ、といった感じでもないし、なんとも形容しにくい後味の作品であった。(エンドロールは最後までみること)

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NOTHING ナッシング
監督: ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演: デヴィッド・ヒューレット 、アンドリュー・ミラー 、ゴードン・ピンセント 、マリ=ジョゼ・クローズ 、アンドリュー・ロウリー
評価: ★★