地上より何処かで

 1995年、見栄っ張りの母親と聡明な娘のビバリーヒルズでの生活。

 相変わらず、ナタりーポートマンは美しく、演技力もあって素敵だ。ストーリー的に派手派手なものではないが、そこに登場している人物像にはそれぞれ自分に重なるものがあり、また劇中登場する警官の言葉にはいろいろと考えさせられるものがある。

 相手のためにと思いながら実際には愛情の押し付けに陥っていてそれに気付かない母親。愛していると言いながら相手を思い通りにしようとする人のなんと多いことか。しかしここに登場する親子は、今の日本に少なくなってきている健全な関係を持っているのではないだろうか。喧嘩をしながらも根底にはお互いを愛している。いや愛しているから喧嘩ができるのだろう。相手の反応におびえながら、探りながらと言う関係が不自然で、空虚なものであることを再認識できるのではないか。

                        1. +

地上より何処かで
監督: ウェイン・ワン
出演: スーザン・サランドンナタリー・ポートマン
評価: ★★★