THREE -臨死-

 アジアの国々の監督がコラボレートした本作。
韓国のキム・ジウン監督 キム・ヘス/ジャン・ボソ出演の「memories」、 
タイのノンスィー・ニミブット監督 スウィニット・パンジャマワット出演の「the wheel」、 
香港のピーター・チャン監督 レオン・ライ/エリック・ツァン/ユージニア・ユアン出演の「going home」
の3作からなる。

memories
 新興住宅街で暮らす3人家族。突然姿を消した妻。妻の身に何か不吉なことがおきたことを感じ、数々の恐ろしいものを目にする夫と、見知らぬ道端で目を覚まし、自分が何者で、なぜそこにいるのかも判らなくなってしまった妻の二つの視点で物語が展開する。
 映画好きな人なら割合最初のほうで落ちが見えてしまうのだけど、そこはそれ、日本でも見られる新興住宅地というシチュエーションの持つ不気味さを感じよう。夜になると人気が少なくなり一種ゴーストタウンにも似て確かにコワイ。せっかくの効果的なシチュエーションをもっと活かしてほしかったなあ。

the wheel
 タイの伝統芸能である『コーン・ラコーン・レク』と『ヒュン・ラコーン・レク』を生業とする人々をめぐる呪いの物語。
『ヒュン・ラコーン・レク』は美しい人形によって演じられ、高貴なものとされているのに対し、『コーン・ラコーン・レク』はより大衆的で、踊り手たちによって演じられている。 高貴さゆえ、その伝統を守るために、その伝統を盗もうとする者があればその者が呪われるように人形に呪いをかけたとされるある一家の顛末が描かれている。
 話を淡々と追ってしまって、特に引き込まれるでなく、怖くもなく。退屈してしまいました。

going home
 取り壊し間近の共同住宅にすむ夫婦のある愛の形が、向かいに越してきた私服警官とその息子とのかかわりをきっかけに崩れていく・・・。 ユウ・ファイを演じるレオン・ライは、はじめはとても不気味に見えるが、物語が進むにつれて妻への愛情が強く伝わってくる見事な演技を見せてくれる。ホラーというよりは切ないラブストーリーといった趣です。最後に意外な結末が待っています。長い旅を終えて帰ってきたときに、そこに待っているはずの最愛の人がいなくなっているのを知ったら、私ならどうするだろう。

正直なところちょっとがっかりしていたのだけど、3本目の「going home」が救いでした。
世にも奇妙な物語」とクオリティが大差ないなと感じてしまいました。いつタモリが出てくるかとヒヤヒヤ(嘘)。

                        1. +

THREE -臨死-
★★