問題のない私たち

中学3年の澪は仲間と一緒に同じクラスのマリアをイジメていた。これは“不快感への正当防衛であってイジメではない”という彼女なりの理屈を展開して一向に悪びれる様子はない。ところがそこへ、転校生の麻綺が出現したことで事態は一変してしまう。今度は麻綺がクラスのリーダーになり、クラスメイトたちによる澪への陰惨にして壮絶なイジメが開始されたのだった。教師たちは見て見ぬフリ。信じていた幼なじみにも裏切られ、ついには自殺を図る澪。そんな澪に唯一救いの手を差し延べたのは誰であろう、澪がイジメていたマリアだった。(Yahoo!映画
 いじめが主題の本作。現代に至って変質しているいじめの現実をリアルに描いている。もちろん映画だからその解決方法は少々楽天的。

 周囲から浮かないこと、常にターゲットが必要であり、それが誰でもかまわないこと。現代のいじめは実に残酷で、切ない。いじめられる側は誰でもかまわないということからも、「いじめられる側の責任」という言説が意味のないものであるとわかる。

 若手の所謂「アイドル」が多数出演していることでジャンル訳を誤って認識されているかもしれないが、本作は自らの体験を基にしか考えていない大人が見るべき作品なのかもしれない。

                        1. +

問題のない私たち
監督: 森岡利行
出演: 黒川芽以 、沢尻エリカ 、美波 、森絵梨佳 、小松愛 、浜田晃
評価: ★★★