パプリカ
夢に入り込んで患者の治療を行う装置“DCミニ”が盗まれ、精神医療総合研究所に勤める若きサイコ・セラピストの千葉敦子は、“DCミニ”開発者の時田とともに島所長の元へと集まる。しかし、所長の島が突然、意味不明な内容の演説をとうとうと語り出す。“DCミニ”を盗んだ者たちによる夢の侵略が現実のものとなり始め……。(Yahoo!映画)
筒井康隆原作の映画化。なんとなく「わかる」といわないと格好が付かない、「良い」といわないといけない、と言われているような無言の圧力を感じながら鑑賞した。
筒井ファンや今敏ファンには申し訳ない感想ばかりが湧き出た。
判っていた事だが、この絵柄は筆者はあまり好まない。このタッチであがかれる夢の暴走シーンなどは、凄いというよりは気持ち悪いという生理的な反射が勝ってしまって、体をのけぞらせ、自然スクリーンから体を遠ざけようとしていることに気づく。ただ、昨今のディズニーのアニメに見られるようなCG造形のキャラクターのほうがよほど不気味で味気ないと感じるのだが。人間の意識下が生み出す映像を具現化しようとしたらCGでなく手書きのセルアニメにするしかないな、と言うのはこの作品を見て感じた。
筒井作品であるところから来ているのであろうが、夢を浸食された人間たちが詠いだす台詞回しの七五調にしても、本来耳に心地いいはずのリズムであるにもかかわらず、上滑りした耳障りな印象が強く残ったし、そのほかの台詞もどうにも「これ洒落てるでしょ」と顔面にぐりぐりと押し付けられているような感覚を持ちながら聞いていた。
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パプリカ
監督: 今敏
出演: 林原めぐみ 、古谷徹 、江守徹 、堀勝之祐 、大塚明夫 、山寺宏一 、田中秀幸 、こおろぎさとみ 、阪口大助 、岩田光央 、愛河里花子 、太田真一郎 、川瀬晶子 、勝杏里 、三戸耕三 、筒井康隆
評価: ★