天使の卵
美大を目指し浪人中の19歳の歩太(市原隼人)と大学生の夏姫(沢尻エリカ)はつき合っていた。だがある日、歩太は満員電車で出会った美しい女性(小西真奈美)に一目惚れする。数日後に彼が精神病院に入院中の父を見舞いに行くと、その女性が父の新しい主治医として現れる。しかも、彼女は夏姫の8歳年上の姉だと分かり……。 (Yahoo!映画)
村山由佳原作の映画化。原作が第6回「小説すばる」新人賞を受賞したときの審査員をして「凡庸」と言わしめるほどのベタなラブストーリーであるが、それゆえ多くの人に受け入れられ、読まれてきた物語。
人というのはそれほど奇抜なこともできないし、大きな違いがあるわけでもない。凡庸こそが本質といえなくもないのだろう。
この映画の主役は歩太と春妃なのだが、実質的には春妃の妹夏姫こそが、言い方は悪いが物語の狂言回しとなっている。ある意味主役だ。実際夏姫を演じた沢尻エリカの演技はなかなかで、最近感じていた適当な感じがなく、一途に歩太を慕う女の子を時に可愛く、時に凛凛しく演じていた。
市原隼人、小西真奈美といった旬な役者もそろっており、素材は十分。
しかし、である。泣けるでもなく、大きな感動が沸き起こるでもなく、なんとなく終わってしまった。
一言で言って物足りないのだ。クライマックスで春妃の身に起こる出来事の唐突さも余りにご都合主義的で、引いてしまう。
ラスト。歩太は「それでも生きていく」事を選び、新たの一歩を踏み出す・・・
ところがどっこい↓。
本作ではプロモーションに新しい手法が用いられた。
公開翌日に続編をドラマ化して放送、作中に映画のシーンを差し込むというものだ。
続編のドラマかなので、映画の結末、クライマックスの映像まで見せてしまっていたのにはいささか驚いたが、楽しむことはできた。歩太の母親役の戸田恵子は共通であるが、歩太も夏姫も別の役者であるが、春妃の絵は同じもの。キーワードの使い方などで楽しませる手法は松岡圭祐の小説のような楽しさがある。
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