ミュンヘン

ミュンヘン・オリンピックの最中、イスラエル選手団が何者かに襲われた。イスラエル側はテロリストの犯行とみなし、復讐を計画する。暗殺チームのリーダーに任命されたアヴナー(エリック・バナ)は、11人の標的を次々に消していくが……。(Yahoo!ムービー

 んー、長い、というのが見終わった後の最初の感想だが、作品自体が悪いわけではない。

 復讐を行っていくうちに、追い詰められていたのが実は自分自身であることに気づく主人公の姿はこんな大変な状況に身を置いていない我々でも身近に感じられる心の動きだ。全体としての物語世界には国際情勢や宗教に関する知識が前提となっており、そういったことに疎い多くの日本人にとっては難解で頭も疲れる(筆者もその一人)。また、当然のことながら殺人シーンがてんこもりで、残酷描写に耐性がない人にはきついと思う。扱っているテーマが重く、その扱い方も正面きって誠実に描いているから、難しいとか疲れたという感想を言う人に対して非難する向きもいるようだが、こればかりはしようがないことで、お門違い非難だろう。考え方、感じ方が違う人がいること、立場が違えば感じ方も替わってくるし、それぞれが正義と思っていることが必ずしも一致しないということを理解できていないなら、もう一度この作品を見てくださいとご提案差し上げる。

                        1. +

ミュンヘン
監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: エリック・バナダニエル・クレイグキアラン・ハインズマチュー・カソヴィッツ 、ハンス・ジシュラー
評価: ★★★