4人の食卓

結婚を間近に控えたジョンウォン(パク・シニャン)は地下鉄で見かけた幼児が毒殺されたことを知る。その日から自宅の食卓で幼児の亡霊を見てしまうジョンウォン。やがて霊感の強いヨン(チョン・ジヒョン)と知りあう。(Yahoo!ムービー

監督さんが「新しい恐怖を」と意気込んで制作したらしいが、筆者には黒澤清監督の「回路」の影響を色濃く感じた。しかもどうも勘違いしているような。
 意気込みが空回りして余計な部分が多く、監督の自己満足の度合いが強いのではないか。
子供の轢死、投身自殺などショッキングな映像の部分などはその「映像の作り方」だけに目が行ってしまい、事前のストーリー展開や雰囲気作りの部分がうまく行っていないようだ。

映画瓦版でも言われているが、 「恐怖」より「嫌悪感」が勝ってしまっていて、残念。

 そんな中でも、展開として人間がよく描けていると思うのは、ヨンとジョンウォンの関係性。はじめのうちは自分と同じものが見えるヨンに対してジョンウォンが助けを求めてすがりつく。それが徐々に依存関係が逆転し、自分を信じるといってくれたジョンウォンにヨンが依存していくのだ。このような人間関係の変化は、まったく異なった題材を扱った作品の中にも見て取れるもので、作品中に「人間」を感じさせる手法としては上手いと思う。

ノベライズのほうが少し違った展開をしているようなので、これから読みたいと思っている。

                        1. +

4人の食卓
監督: イ・スヨン
出演: チョン・ジヒョンパク・シニャン 、ユソン 、キム・ヨジン 、チョン・ウク
評価: ★★